フチなし印刷をきれいに仕上げる方法
ナマぴ~
友人のカフェのDMを手持ちのプリンターで印刷したいんだけど、絵や写真をフチいっぱいに入れると白地が出て上手に印刷できないんだ。
プロが作る印刷物はフチなしまできれいに出てるけど、なにが違うのかな?
ナマ叔父さん
それはね、ナマぴ~くん。専門の印刷屋さんに発注して、非常に高価な印刷機械で作るからだよ。
でもね、サイズによるけど、手持ちプリンターでできなくもないね。
おじさんは若いときに自分でいろんなものをプリントしたよ。写真をフチいっぱいまで入れたCDジャケットや年賀状なんかを手作りしたもんさ。
それにはね、本格的な印刷テクニックを利用するんだ、くわしく説明しよう。

断ち切り/トンボ/塗り足しなどの
テクニックを活用するぞ
フチなしには“断ち切り”手法を使うぞ
実はね、多くの印刷物は仕上がりサイズの紙に直接印刷するわけじゃあないんだよ。ひと回り大きい紙に印刷して、そのあと余白をカットするんだ。印刷業界ではこれを「断ち切り」って呼ぶよ。
断ち切られて仕上がった印刷物は、紙の端っこまでキレイに印刷されてるよね。白いフチが不自然に見えていないはずだよ。
ただし、フチが必ず1センチほど白くなっている印刷物が実はあるんだ。「輪転印刷」って言ってね、仕組みが少し違う印刷機で印刷されるんだ。詳しくはPRINTING編で解説する予定だ。
ポイントは“トンボ”と“塗り足し”
手持ちのプリンターで、フチなし印刷をキレイに仕上げる手順を図で説明しよう。
まず、切り落とす目印となる線を一緒に印刷するんだけ。この線のことを専門用語で「トンボ」と呼ぶんだ。トンボはグラフィックデザイナーにとって、切っても切れない縁で…、
おっと、切るためのトンボなのにね。シャレじゃないんだけど…ごめんごめん、話を続けよう。
解説の図はハガキサイズの例だ。四隅にあるタテ・ヨコの線がトンボ。タテ方向とヨコ方向にカットするための目印となるんだ。
で、フチまでイラストを配置する場合、必ずトンボから少しはみ出させるのがコツだ。このはみ出た部分を業界用語で「塗り足し」と呼んでいるよ。一般的に3ミリの塗り足しが作られるんだ。
トンボは細い黒線にするのが慣例で、仕上がりサイズの内側に入り込まないように作らなければならない。でないと、カットしたあとに線が残っちゃうからね。
実際の印刷では水平・垂直はもちろん、正確な仕上がりサイズが必要なため、コンピュータがない時代はトンボを作るのは結構大変だったんだ。 今じゃあ、デザイン専用のDTPソフトで自動的に作られるからずいぶんラクだけどね。
ただし、一般のワープロソフトなんかにはトンボを自動で作る機能がないから、もし自作できるなら図のような線を付けてプリントし、そのあとカッターで切り落とすと、本格的な断ち切りデザインのカッコいい仕上がりにできるよ。
[フチなし印刷をキレイに仕上げる手順]

ナマ叔父さん
詳しくは「SKILL UP」でも解説する予定だ。準備中だからしばらく待ってくれないかい。
