主に印刷媒体。なかでも広告宣伝物に関するグラフィックを取り上げるよ

主に印刷物を中心に解説するよ。
おじさんは、主に印刷業界のクリエイターをやっているから。

でもねナマぴ~くん、印刷物のデザインスキルやコピーライティングスキルを身に付ければ、インターネットのサイト作りにも応用が利くんだよ。

だから印刷分野からグラフィック業界に入るのも悪くない。
プロへの目指し方は別記事で解説する予定だ、そっちも参考にしてくれたまえ。

よし。じゃあ「印刷物とは何か」といったあたりから見ていこうじゃあないか。

印刷は文字や写真、絵などを何枚も複製することだよね。ではなぜ複製するんだろう?
それは多くの人に情報を伝えるためだ。

よく情報媒体って言葉を耳にしないかい? 「媒体」っていうのは、何かをするために、それを「仲介」または「なかだち」する手段や道具のことだ。英語ではメディアって呼ぶよ。
で、情報を仲介するのが情報媒体(情報メディア)なんだ。
情報媒体には代表的な三つの種類がある。印刷媒体、電波媒体、デジタル媒体だ。

[情報媒体の代表例]

情報媒体の種類どうやって伝えるか
●印刷媒体
(印刷メディア)
インクを紙に印刷して伝える(紙のほかに板やプラスチックなどにも印刷)
●電波媒体
(電波メディア)
電波にのせて遠方のテレビやラジオに伝える
●デジタル媒体
(デジタルメディア)
光や電気信号に変換してパソコンやスマホに伝える

おじさんは、情報を印刷して、それを伝える目的の違いで、印刷物がこの表のように分かれると考えてるんだ。

[情報を伝える目的と印刷物の例]

●広告・宣伝
ダイレクトメール、ビラ、チラシ、ポスター、パンフレット、カタログなど
●娯楽
小説・漫画・雑誌、玩具、ポスター、ボードゲームなど
●教育・啓発
教科書、学術書、博物館等のパネルなど
●見識拡大
新聞、情報誌、広報誌など
●認知
カレンダー、暦、地図、メニュー、目録など
●記録
各種書籍、辞典・辞書、など
●識別
ラベル、箱、パッケージ、袋、身分証など
●証明
紙幣、有価証券、免許証、卒業証書、契約書など
●装飾
装飾製品(壁紙、ふすま紙、テープ)、その他各種製品(文具、包装紙・箱、衣料・布製品、日用品)など


●「広告・宣伝」が目的
さまざまな企業が手掛ける製品やサービス、または主義・主張などを広く宣伝するツールだ。ポストに入るDM(ダイレクトメール)や、お店の売場に掲示されるポスター、チラシやパンフレット、カタログなどが代表例だ。

●「娯楽」が目的
物語や小説、漫画、絵本などの感情に訴える作品を印刷したものだね。あと、トランプやカードゲーム、ボードゲームのような遊びが目的の印刷物だ。

●「教育・啓発」が目的
最も代表的な印刷物は教科書だね。学術的な書籍や論文などもこの分野に入る。

●「見識拡大」が目的
世の中に伝えるべき事件や出来事などを印刷した新聞や雑誌などが代表例だ。また、観光ガイドブックや様々なジャンルに存在する多くの情報誌もこの分野に入るだろうね。

●「認知」
知りたい情報を素早く・効率よく認知できるよう印刷されたもの。日付がわかるカレンダーや場所がわかる地図、メニューや目録なんかがこれにあたるね。

●「記録」が目的
先の伝達目的と違って、情報を忘れることがないように記録として残すために印刷されたもの。積極的に知らせるというよりは保管目的が高い。代表例は議事録や統計書、白書などが該当するよ。また、卒業アルバムや文集などもこのジャンルに入るかもしれないね。

●「識別」が目的
モノや製品、サービスなどを識別するための印刷だ。特に梱包目的の箱や袋に直接印刷されたり、札やシールに印刷して、それがモノに付けられる場合が多い。

●「証明」が目的
価値を証明する紙幣や株券などの有価証券。許可を証明する免許証や、身分を証明する身分証もあるよ。

●「装飾」が目的
印刷しなくても問題ないけど、寂しいので飾りとして印刷することがある。モノや文具の表面、ノートの表紙などに描かれた模様などがそうだ。逆に、壁紙や装飾テープなどは、装飾のための印刷がそもそも目的となっているね。

さあ、ざっとこんな感じだ。そしてこれらの目的はね、実はいくつか重なることもあるよ。
例えば「娯楽」が目的のカードゲームに、アニメの主人公を登場させて「宣伝」したり。
また、地域のゆるキャラの漫画を入れて、吹き出しにイベントの開催日時を入れた「うちわ」を作って配るとすると、ゆるキャラの「宣伝」、イベント開催の「伝達」、うちわの「装飾」といった三つの目的を持たせることができるよ。
で、これらさまざまな印刷物を作るには、デザイナーやコピーライターなどを始め、とても多くのクリエイターが携わるんだ。

それでねナマぴ~くん。特に「広告・宣伝」目的の印刷物は非常に多様で種類も多い。グラフィッククリエイターであれば、誰もが一度は関わるジャンルなんだ。このサイトでも、広告宣伝物の制作に関する多くの話題を紹介しているよ。